カテゴリー別アーカイブ: 九十九湾

能登九十九湾は美しい海です

膳部台

能登は祭りの多い土地柄である。

その祭りには「よばれ」と呼ばれる饗応が付きものである。

祭り当日ともなれば、親戚や父親の勤め先の人などがわんさと押しかけてきた。

先の家で一緒だった見ず知らずの人を連れての時もあるが、準備する側も心得たもので、どうぞ、どうぞと招き入れる。

一方、裏方の流し元といえば、大変である、御膳を用意しなければならないのである。

その都度盛りつけていてはとても間に合わないので、刺身など事前に盛りつけておけない物は除き、盛りつけておいてもよいものや茶碗蒸しなどをそろえておくことで、手早く準備することが可能となるということで、各家々には、膳部台というものがあった。

ようするに、組み立て式の木製の棚である。

その棚に器を並べておき、御膳の上に配置していくのである。

最近では、仕出しを獲ることが多くなり、全てオリに入れられて、時には保冷剤も入れられて届けられるので、あまり使われることが無くなってきている。

という、私も、これはもう使わないだろうと思い、捨てようとしたところへ、近所のおばさんが通りかかり、「あんちゃん、それ膳部台やろ、なんで捨てるがや、なんかの役に立つかもしれんさかい、とっておかしよ。」と言われた。

う~ん、どうしようかな、それではとりあえずとって置くかということで、今、納屋の隅に使われないまま鎮座している。

この膳部台に限らず、祭りや葬式用の御膳やら器、お酒の銚子やおちょこも使われないままに、物置にで~んと居座っている。

以前は、祭りの次の日に、輪島塗りの御膳や器はお湯で洗い、幾度も拭いて和紙にくるんででしまうという作業が女性達の手で行われていた。

今では考えられないような手間の掛かる作業であった。

「能登のとと楽」と言う言葉があるが、こういった作業を黙々とこなしていた能登の女達を褒める言葉でないかと私は思う。

七夕の竹キリコ

夏から秋にかけて、能登の各地域でキリコ祭りが、開催される。

それとは別に、8月7日に、高校生や中学生が中心となって、子供達運営する七夕のキリコ祭りも各地で行われている。

私の小さいときは、夏休みに入り、7月の末になるとその準備をするために子供達が集まり、先ずは、四本柱となる真竹を取りに隣村の竹藪をお持ちのお宅へ、竹をもらいにいくことが最初の仕事であった。

距離にすれば往復10キロメートルほどを歩くことになる。

小学生にとっては大変つらい距離であったと思うが、途中で蓮田の蓮の実を獲って食べたり、雑貨屋でアイスキャンディを買って食べたりと、ふざけ合いながら時間を忘れて歩いていたように思う。

まっすぐした竹はなかなか見つからず、あちこち探して歩いた記憶がある。

集落のキリコの台などがある農家の納屋に持ち込んだ竹は、年長者を中心として、昨年の竹と合わせながらほぞ穴を開け、桟(さん)を入れながら組み立てていく。

小さな子供達はといえば、農家の納屋につり下げられた太鼓の練習などをしていたように思うが、最近では、その練習する太鼓の音もなく少しさみしくに感じている。

話を元に戻し、それにあわせて、キリコの前後に字や絵を描く「なかどり」や「こじょう」(これらの呼び方は地域によって異なっている。)の紙をつくるため、障子紙を長方形に小さく切り、それを更に互い違いに、市松模様にのり付けしていく作業が行われ、大きな一枚の紙に仕上げていく。

互い違いの市松模様に貼ることで、「なかどり」や「こじょう」の中に灯りが入ると、重ね合わされたところが、線となって浮き上がって見えるので、きれいに継はぐことが求められ、なかなか大変な作業である。

できあがった大きな紙に武者絵などを描く作業が続いて行われる。

もちろん絵の得意な子供達が自分達で描くこともあるが、字の方は、地域で達筆なで知られる大人の人に書いてもらうこともあった。

ちなみに、キリコの正面、前の方には字が書かれ、後ろは絵が描かれている。

これらが完成すると、「なかどり」や「こじょう」にその紙を貼り付け、四本柱の中に組み込み、更に、キリコの台を組み立て、いよいよ完成にちかづいてきた竹キリコづくりは、8月6日の夕方に、立ち上げることになる。

台に四本柱を差し込み、固定し、はんぞ縄や御幣、酒樽、天幕等を取付け、ゆっくりと立ち上げていく。

その後にかたね棒を台に差し込み、関板をとりつけ、台の上に欄干、四本柱に提灯棚、後ろに太鼓と太鼓幕を取付け、灯りを灯すためのバッテリーを取り付けて、茅を飾り付けて完成である。

完成したキリコを先ずは集落の方々に見ていただくために、集落のすみずみまで担いで回ることになる。

その折には、各家々からご祝儀をいただいており、キリコ製作に掛かった費用や「かすもぎ」(反省会というか、慰労会というか、あとしきというか、そのような感じのもの)の費用とした。

さて、私たちの集落は、軒数が少なく、子ども達も少なかったので、中学生になると後ろを担ぐことになり、後ろは2人で担いで、前は小学生の高学年の物が担ぐなど、大変な思いをした記憶がある。

7日の当日は、町内の7つの集落全てを担いで回ることになるので、大人の人にも手伝ってもらいながら、最後の入れ宮が終わり、自分の集落へ戻り着くのは、いつも午前1時頃を過ぎていたように思う。

自分の集落へたどり着いてもそれで終わりでなく、キリコの解体をしなければならないので、家に帰り着くのは、午前3時、4時ごろであった。

家では、風呂が沸かしてあり、湯につかり疲れと落とすわけであるが、肩を見れば、ぱんぱんに腫れ上がっていた。

次の日というか、その日というか、8日は、当番の家に子供達が集まり、ご祝儀を使わせていただき、カレーライスをつくり、子供達にはお菓子なども配られ、ワイワイと騒いだものである。

ちなみに、それまでに使った材料費等については、お通い帳という物があり、全てツケで購入して来るのであるが、地域の人たちは皆、そういった習慣を承知しておられるので、難なく購入できた。8日にお通い帳を持って精算しに回るのであるが、何ともおおらかな土地柄である。おそらくその習慣は今日でも続いていると思う。

8月7日には、珠洲市宝立町で七夕キリコ祭りが盛大に開催されており、是非見に来ていただきたいが、その他の地域でもこういった七夕キリコが町内を練り歩いていると思うので、一歩踏み込んで、珠洲市内を回って、様々なキリコを見てみるのもおもしろいのではないかと思う。

ミニミニ図書館

ホテルのときんぷらにミニミニ図書館があるのをご存じですか。

きんぷらのホールの奥にセルフサービスのコーヒーコーナー(有料で200円でコーヒーが楽しめます。)があるのですが、その横にちょこんと本や漫画が用意されております。

最近では、例の倍返しの半沢直樹の登場する、地井戸潤の第1作『オレたちバブル入行組』、第2作『オレたち花のバブル組』、第3作『ロスジェネの逆襲』などもそろっております。

TV映画の「隠蔽捜査」もあるかもしれません。

そのほか、時代物の文庫本などもそろっておりますので、コーヒーの飲みながらページをめくってみませんか。

また、どんどん新しい本が出れば入れ替えていきたいと思っておりますので、ご期待願います。

漫画についても、持ってきているのがまだ少ないので、すこしづつ増やしていきたいとおもっておりますので、息抜きに泊まりがけで漫画を読みに来て下さい。お待ちしております。

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起船祭

2月11日は起舟祭の日である。

舟を起こすということで、漁業を始める日ということである。

様々な催し物が開催されるとともに、古くからの伝統行事として能登の各地(輪島市、志賀町)においても執り行われている。

聞いた話では、昔は網元の家に舟に従事する漁業関係者が招かれ、「よばれ」といわれる宴会というかもてなしが行われたという。

能登ではよく「よばれにいらし」という言葉を聞くが、キリコ祭りが行われると、キリコとともに各家々に親戚や知人を招いてもてなす「よばれ」が行われる。

友達の友達は皆友達だということで、知らない人でももてなしてしまうこともある。

高校生の頃に、祭りの次の日の朝起きてみると、知らない他校生もよく泊まり込んでいた記憶がある。

最近でも、「酒だけ沢山用意してあるから、奥さんと一緒に祭りにいらし」と声をかけていただくこともある。

能登のこういった素朴な祭りを一度見てみたいと思いませんか、お越しをお待ちしております。

雑煮あれこれ

雑煮

能登の雑煮というと、大変豪華である。

若いときの話であるが、初任地である小松で、正月明けに、事務室で雑煮をつくろうということになり、「それでは色々と買い物をしなければなりませんね。」と言ったところ、「何、言うとるがいねん、雑煮はすましや。」と言われてびっくりした記憶がある。

私の家では、餅は丸餅で、昆布を敷いた鍋にもちをならべ、先ずは、餅だけを煮るのである。

かけ汁はと言うと、あごだし(トビウオのにぼし)、あるいは昆布だしで、焼き豆腐、こんにゃく、生椎茸、にんじん、昆布のかまぼこ、赤と白の鳴門巻き、ちくわ、かしわ(鶏肉)などといった物を入れた、まさに雑煮となった汁をかけ、最後に、ぼたのり(生の岩のり)乗せて食べるのが我が家流の雑煮である。

小さい頃は、大家族であったため、丸餅はお釜に昆布を敷いて、ひっついさん(竈 かまど)で40個、50個と煮たものである。

もちろんかけ汁も大鍋でつくるのが普通であった。

正月3が日は、だいたい朝に雑煮を食べると、お昼は食べないことが多く、ミカンを食べたり、お菓子をつまんだりで、夕食まで持たすと言った感じだった。

また、昔、近所のおじいちゃんが若い頃に、出稼ぎ先の蔵元(能登地域は昔から能登杜氏が有名で、酒造りに出稼ぎにいっていた。現在でも続いている。)で、正月にお雑煮を食べていたときに、蔵元の旦那さんから、「重さんや、雑煮はうまいやろ。」と聞かれたが返事をしなかった。

蔵元の旦那さんは、「なんで返事せんがや。」と聞いたら、重さんは、「おらかたの雑煮には、かまぼこやらしいたけ、やきどうふやかしわやら入れて、ぼたのりを乗せて食べるがや。」と言ったところ、「そんな贅沢しとるから、出稼ぎにこんならんがや。」としかられたそうである。嘘のような本当の話である。

 

魚釣り

さて問題です。 ↓ は一体何をする道具でしょうか?

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正解は魚を計るメジャーです。(ちょっと画像が小さすぎて見づらい)

のときんぷらでは冬以外の季節に釣り道具一式がレンタル(有料)できます。

敷地内には釣りイカダも設置してあります。

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こちらで釣った魚を計るものなんです。

のときんぷらでは釣った魚を夕食時に調理(忙しくなければ)していただくことも

できますので、親子連れには人気ですので釣りをしたい方は気軽にスタッフに声を

お掛け下さい。