珠洲の祭りへ行くと子供たちの「きゃーらげ」を目にすることができる。
「きゃーらげ」ってな~にと思われる方が多いと思う。
木遣り唄とでもいうか、能登の祭りはキリコ祭りが多いが、山車を曳く祭りも数多くある。
「きゃーらげ」は、山車を曳くときに囃子方として乗り込み、「よーまいた」と囃しながら引き手の調子を合わせる役割を持った子供たちが行う伝統行事であろうか。
山車が運行されているときは山車に乗り込み、山車がお宮さんに入り、入れ宮が終わると、「きゃーらげ」の子供たちは若い衆の背に負われて、集落ごとの各家々を回るのである。
各家々の座敷では「よばれ」という饗応がなされているが、その座敷へ子供たちが迎え入れられ、その家の繁栄を寿ぐ「きゃーらげ」を舞い、唄うのである。
小学生が赤い着物を着て、稚児のように化粧をしており、大変可愛らしいものである。
座敷で「よばれ」で御膳に座っている人達から、「花(簡単に言えばご祝儀である)」をうってもらうと、更に次の「きゃーらげ唄」を披露し、多ければ3回も4回も唄う座敷もある。
この「きゃーらげ」は、例えば、タチマイ(上棟式)など、いろいろな祝い事の宴席で「大盃(大きな盃に酒を接ぎ、参列者が順次飲み回すのであるが、その時に、肴と称して誰か彼かが唄や都々逸など何でもよいのだがみんなに披露し、披露し終えると盃をもった人が酒を飲み、次の人に盃をまわす能登地方での習慣)」をすることがあるが、その席でもよく「きゃーらげ」が肴として披露される。「きゃーらげ」の得意な人がいるのである。
珠洲市内でも、飯田、鵜島、上戸などで山車の出る祭りがあるので、一度見てみられるのも面白いのではないか。